非効率で旧態依然とした組織風土にうんざり。大企業病に陥った社内でどう振る舞うか?

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なぜ大企業病が起こるのか

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大企業病は、そこで働く人たちの心理的なはたらきが、全体として好ましくない方向に作用した結果として、発症するものと言えるでしょう。
大企業側の視点に立って考えてみると、何か問題が発生してしまうとそのインパクトが大きいために、慎重な判断・行動が必要となり、出来るだけ慎重に・安全に物事を進めなければならない、という事情も見えてくるでしょう。また、多くの従業員数を抱えるとなると、人それぞれ異なるビジネス知見・経験を持つ人が集まることになるため、全員がミスをしないようなルールを作る必要も出てきます。

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主にシニアなどの、社内で安定した地位にある社員の視点から考えてみると、年功序列の色が濃く残っている日系大企業では、そこそこの待遇は保証されているため、新しいチャレンジを起こす理由などほとんどありません。それどころか、波風立てずに定年まで過ごすことが最善の選択になります。
会社の現状に満足している人たちにしてみれば「チャレンジ精神がなくても、仕事に支障をきたしているわけじゃないから良いのではないか」「会社は安定しているし、仕事を不便に感じることもない」「現状で特に大きな問題があるわけじゃないし、変えなくてもいいじゃないか」という意見をもつことでしょう。自分の責任をとらなくてよい人達にとっては、上記にあげた大企業病の特徴こそ、大変心地よい状態になるわけです。

大企業病を克服する方法

人間には、本能的に変化を避けようとするホメオスタシス(恒常性)という機能があります。何かこれまでと異なる行動をとろうとすると、ホメオスタシスが違和感を覚え、やめさせようとすると活学では教えています。
会社にしてみても個人と同様にホメオスタシスは働いており、これまでの安定を求める本能から、大企業病に陥ってしまうと言えるかもしれません。そう考えると、大企業病を克服するには、組織全体として、このようなホメオスタシスからいかに抜け出すか?にかかっているのではないでしょうか。

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一般的には、大企業病から抜け出す・予防するための対策法としては以下のようなものが挙げられています。

  • 組織内における各人の権限範囲を明確にする
  • 上位職からどんどん権限委譲を行い、出来るだけ現場側に決定権・裁量権を持たせる
  • 他部署との連携のためにコミュニケーションを活性化する
  • 承認ルートやルールなどを見直して業務の無駄をなくす
  • 新しい挑戦を評価するような制度を設ける

これらは、経営陣や人事責任者を中心として、全社的に抜本的な改革に取り組んでいく必要があります。そのため、会社が本当に危機的状況に陥って「尻に火が付いた」状態にならないことには、なかなか本気の取り組みが始められることも少ないでしょう。

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一社員としてやれそうなことは、まず改革や改善を行うべき課題を把握して、声を上げることでしょう。また、上記に書いた大企業病「チャレンジしない」、「重厚なプロセス」、「責任の所在が曖昧」という点を身の回りから少しずつでも破っていくために、意味のないルールは多少無視してでも物事を進めてしまったり、周囲に迎合せずに問題点の指摘や改善提案をしていったり、という行動も考えられます。

大企業病の中でどう振る舞うか

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大企業病の中でそこでのやり方に巻き込まれてしまうと、社内調整に長けるばかりで、仕事の中であなたが大切にする磨いてゆきたい能力を伸ばすことは困難です。そのため、個人レベルでは、そうした環境から出来るだけ距離を置くことが戦略となるでしょう。
大企業の中でも、例えば海外拠点や小規模案件の担当部署など、大企業病が蔓延していない部署もありえます。そのような部署への異動を志願することで、日系の大企業の中でも大企業病から離れて自分の能力を磨いていくことが出来るでしょうし、それもだめなようであれば、転職も視野に入れていくことになるでしょう。

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ただし、人が経験する問題は、自分を成長させるための「ドリル」として目の前に現れてくるものだと活学では教えています。そして、そのドリルを解決しないままに別の場所へ移ったとしても、同じ問題が再び現れてくるものです。
活学では、世界はすべてあなた自身の心から生まれている、という考えをします。自分の属する企業が「病」にかかっていると見えるということは、つまりは自身が負の感情で会社を見ている状態と言えます。活学でいう愛情の反対は、他者に対しては「無関心」、世界に対しては「恨み」であると定義していますが、現状を見つめて内観をすることで、このような負の感情が自分自身の中に潜んでいることに気付けるきっかけにもなるかもしれません。
他人や組織は直接的には変えられなくても、自分の意識は変えられます。物事の見方を変えることで、起こる出来事も変わってくるはずです。

まとめ

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いかがでしたでしょうか。会社のあり方に不満を感じたなら、そこから一歩踏み込んで、自分自身の価値観・信念を見つめ直してみることをお勧めします。
その時は、「この状況は自分に何を気づかせようとしているのだろうか?」「ここから自分は何を学び取れるだろうか?」という点にフォーカスしてみてください。あなたに何かを教えるために今の現実が目の前に現れてくれていると考えたなら、現在苦労している状況も、ちょっとだけ肯定的に捉えられるようになるのではないでしょうか。
あなたがより良いキャリアパスを進むのに、今回の記事に参考となる部分が何かしらあったとしたら嬉しいです。

 

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