「存在を否定するような言葉は言ってはいけない!」など、子どもに言ってはいけない言葉があるというのは色々なメディアで叫ばれています。しかし、活学的に見て「それはアカン!」と言いたくなるようなことは見過ごされています。実際に、保育園の現場等では常套句のように使われているのを目撃したことがあります。つい、言うことを聞かせる魔法の言葉のように使われています。当たり前のように言ってしまいがちな一言なのですが、のちの子どもの人生に大きく縮小させてしまう、そんな一言について今回はご紹介します。子育て中のお母さん、お父さん。保育園や幼稚園でお勤めの方、必見です。
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はじめに
ごはんの時間、食事中に飽きてしまって、お箸で遊んだり・・・ピーマンが嫌いで、食べるのを途中でやめてしまったり・・・小さい頃の子どもは本当に大変ですよね。小さい子どもは私たち大人が考えているようなリズムでは動いてくれません。ごはんを食べさせるのも一苦労。ごはんの時間以外にも、友達に遊具を譲りたくなくて泣き出したり、「これ買って」と騒ぎ出したりするのは日常茶飯事なのではないでしょうか。言うことをすぐ聞いてくれたら、どれほど育児は簡単になるだろう?と想像したり・・・「いい加減にして!言うこと聞いてよ!」と怒りたくもなりますよね。
魔法の言葉と崇められているあの言葉
好き勝手している子どもに、言うことを聞かせる「魔法の言葉」があります。それが、保育園等でも言われているあの言葉です。あの言葉とは・・・「嫌い」「いやだ」です。つまり、「○○する子はママ/先生、嫌いだよ?」「そういうことすると、もう嫌だよ」です。大好きな大人に言われると、子どもは嫌われたくない一心で、一生懸命言うことを聞きます。言うことを聞くからこそ、保育園や幼稚園の先生も多用しています。
あなたも言っていませんか?確かに子育ては大変なので、さっさと言うことを聞いて欲しいと願う気持ちはよくわかります。しかし、危険だと知らずにあなたがその言葉を使ってしまうのは、頑張っているあなたにとって残酷なことなので、制約を増やすようで忍びないですが、言わせてください。なぜ、子どもが「○○する子はママ/先生、嫌いだよ?」「そういうことすると、もう嫌だよ」と言われると、言うことを聞くか考えたことはありますか?なぜ、子どもは周囲の大人に嫌われないようにするのでしょうか?
なぜ、言うことを聞くのか?
答えは、「大人の力なしでは生きていけない」と幼いながらに知っているからです。「お母さんは」「お父さんは」「先生は」どこまで許してくれるのか、は生命維持に関わるので、子どもにとって最重要確認事項です。DVの起こっている家庭で育っている子どもは、大人の顔色をよく見るようになるのも至極当然です。子どもは非常に敏感に大人の表情を感じ取ります。なぜなら、マズローの欲求5段階説でも言われているように、私たち人間の最も強い欲求は「生存欲求」だからです。大人の力なしでは生きられない子どもにとって、嫌われるということは「生存欲求」が満たされない危機にさらされているのと同じなのです。
嫌われないように行動した結果は?
愛情を欲しがる時期に嫌われたくないと行動を制限した子どもがどう育っていくかわかりますか?良い子には育つでしょう。大人にとって都合の良い子、物分りの良い子に。「どうすれば、嫌われないか」他人の顔色ばかり窺う子どもになります。その子の判断基準は、「自分がどう思うか」ではなく「他人がどう思うか」になります。大事なお子さんが、生徒が、将来、他人の目を気にして自分を殺すような子どもに育ってほしくないですよね。
代わりの魔法の言葉は?
代わりの魔法の言葉はありません。活学では、人は自分も都合では動かないと教えています。子どもといえども、あなたの思い通りに動かそうとしてはいけません。都合よく動かそうという気持ちをなくすことができれば、自然と子どもがあなたの望むことを不思議にしてくれるようになります。子どもはあなたに何かを気付かせるために、言うことを聞かないという態度を取っています。「親/先生だからしっかりしなきゃ」と力むのではなく、あなたがその子から学ばないといけないことを味わい尽くしましょう。
言うことを聞かせる裏ワザ
とは言っても、親/先生の役割を考えると、すぐにでも言うことを聞いて欲しいですよね。そこで、活学を理解してなくてもできる裏ワザをお教えします。子どもは、構うと面白がる生物です。ですので、子どもの飽きを誘うのが最も効果的です。
やってほしくないことを子どもがしているとき
→無関心を装います。
子どもが、あなたの好む行動をしているとき
→関心をもってあげます。
それだけで、子どもは「関心を持ってもらえるもの」と「関心を持ってもらえないもの」を自分で判断をするようになります。
それってサボりでは?と感じたあなたへ
それって結局、育児をサボっているのと同じでは?と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。サボっても良いんです。もしかしたら、子どもがあなたに気づいて欲しいことは「休んでもいい」ということかもしれませんよ。親や先生という役割に没頭して、我を見失わないように気をつけてください。あなたは、親/先生である前にあなたという一人の存在なのです。
結局、他人の顔色を見る子になるのでは?と感じたあなたへ
結局、他人の顔色を見る子になるのでは?と思う方もいらっしゃるでしょう。しかし、言葉で脅すのと、自らの意思によって判断させるのでは、雲泥の差があります。前述の通り、元来、子どもは、身近の大人に嫌われることを恐れています。元々、子どもは、大人の関心には非常に敏感なのです。だからこそ、言葉で追い込まないことが重要です。
ママが別の家の子どもを抱っこしようものなら、泣き出してしまうのも、ママを独占しようとするからです。身近な大人を「自分だけのもの」にして、安心して生存欲求を満たしていたいからです。ですので、自分が嫌われないために、全力でライバルを蹴落としにきます。弟や妹が生まれて、赤ちゃん返りしている姿なんて「まさに!」ですよね。
あなたが言われてきたのか気になる人へ
もしかしたら、もう既に成人しているあなた自身も言われてきたかもしれません。チェックの仕方としては、あなた自身の判断基準を思い出してみてください。あなたの判断基準は「自分」ですか?親の価値観に従っていませんか?周囲の人の声が気になっていませんか?他人の顔色を気にしながら生きているのであれば、幼い頃にかけられたロックがそのままになっているといえます。このロックを外すには、自分の判断基準を疑うところから始める必要があります。たとえば周りの意見を無視する結果となったとしても、「他人がどう思うか」ではなく、「自分がどう思うか」で判断してみましょう。そうしたとしても、幼いときのあなたではないのですから、今のあなたなら大丈夫です。生きていけます。このときに「他人にこう思われるであろう自分をどう思うか」ではありません。他人は抜きで考えてみてください。
まとめ
いかがでしたか?子どもに言ってしまっていませんでしたか?あの言葉は、子どもを脅しているのと同じです。脅すのではなく、子どもが自らの意思で行動するように促せる大人でありたいですよね。今回、ご紹介した裏ワザと一緒に「この子はその行動で、私に何を気付かせたいのだろうか?」もぜひ考えてみてください。誰もあなたの都合では動いてくれません。ですが、誰もがあなたのために色んな役割を演じてくれています。あなたが気付けば、その役割はお役目御免になれます。あなたが気付けば、子どもは聞かん坊の役割を演じる必要がなくなるのです。さあ、何を気付きますか?